対中経済援助


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日本の対中経済援助

ODAとは？

誰もが聞いたことがあるだろう。
ODAという名称。ODAとは政府開発援助の略称で、国際貢献のために先進工業国の政府及び政府機関が発展途上国に対して行う援助や出資のこと。
とウィキペディアでは定義されている。

長い期間の間、日本は中国に対して援助をしてきた。
しかし最近ではその援助を見直すように、或いは「対中経済援助をやめるべきだ」という声があちこちから聞こえるようになった。
その理由として

最近の日中関係の冷却化
中国の2010年の国内総生産(GDP)が日本を抜いて世界第2位となった
ことなどがあげられる。

ODAの概要

ODAの中には二国間援助 というものがあり、
これは先進国側が直接、特定の発展途上国に有償、無償の資金などを援助すること
と定義される。

二国間援助の中では大きく分けて3つの援助の方法がある。

**有償資金協力
    ある程度の資金を有償で、いわゆる貸し付けるタイプの協力。しかし内25%以上は贈与であるものと定義付けられている。円で貸し付けられるため円借款などと言われることもあり、中国などのある程度発展している国に対して行われる。
**無償資金協力
    これは援助相手国に返済の義務が無い完全資金援助。
**技術協力
    これは人材育成と技術移転などが含まれ、研修員受入れ、専門家派遣、開発調査、最新機材の供与など。

日本が2国間援助の累積総額で一番援助している国は中国。
2007年度末までに、円借款：約3兆3165億円、無償資金協力：約1510億円、技術協力：約1638億円の資金援助を行っている。
しかし中国の経済急速発展を理由に、日本政府は対中ODAのうち有償資金協力（円借款）に限り2008年の北京五輪を境に打ち切った。
でも面白いことに、まあ貸付だからあたりまえだけど、2003年度末における円借款に対する償還額が元利計で約9401億円となっていて、2003年より中国からのODA返済額が中国へのODA援助額を上回っている。

さてこれからは対中経済援助はどうなるのだろうか？

さきほども少し取り上げたが、中国に対して一部の人は
    「第3の経済大国が第2の経済大国に援助をするのは不条理」
    「中国は恩をあだで返そうとしている」
と感じている。

これに対して中国は
    「中国の急発展は国際社会の援助が不可欠だった」
    「とくに日本から受けた6．7兆円の援助は主に鉄道や発電などのインフラ建設に用いられており、各場面において繰り返し感謝の意を表してきた。これは中国にある日本企業は身をもって感じているはずだ」
と感謝を表すこともあれば、
    「経済援助は双方向的なもの、相互利益につながるものである」
    「途上国への支援が多いほど、本国企業の恩恵も多くなるのだ」
    「国際援助は豊かな国が貧しい国に対して施すものとは限らない」
    「中国は被援助国であるとともに、先進国への援助国でもある」
などという相互利益を主張することもあり、
さらには
「もし日本が経済援助停止をし、中国の発展を妨げようとするならば、最終的に損害をこうむるのは、自分たち自身だ」
という強い意見も出ている。

政治というもの（特に外交政治）は、相手の出方を見ながら自国にとって最も良いと思われるカードを出していくのが最善だけど、果たしてこれからの対応は日本にとって良いものとなるのだろうか？それとも切るカードがなくなってしまったのか。
今後の情勢が気になるところ･･･。