中国で報道された日本の空母らしい駆逐艦22DDH
中国網日本語版(チャイナネット)は9日、「日本が建造中の空母が、わが国の潜水艦部隊の脅威になる」と報じた。
以下は同記事より。
日本は軍事力により釣魚島(日本名:尖閣諸島)を奪取する(原文ママ)ため、ひそかに準備をしている。海上保安庁は、釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)に専従部隊を設ける方針だ。
自衛隊はまた、建造中の「駆逐艦」22DDHの写真を公開した。
2011年1月の22DDHの着工以来、世界は初めて「空母」と呼ばれない空母を目にした。日本側が「駆逐艦」と呼ぶ同空母の写真を見る限り、22DDHの建造は日本の造船業の高い水準を引き継いでいるようだ。各パーツごとに建造し、集中的に組立を行い、たくみな溶接技術を誇り、表面はなめらかだ。
建設状況は?
この22DDHの建造は驚異的なペースで進められている。11年初から現在までの1年に満たない期間で、艦体の完成度は着工から8年が経過するインド海軍の「ヴィクラント」を大きく上回っている。現在、格納庫甲板以下の艦体、一部格納庫の周辺の船室の建造のみを完了しており、上階の飛行甲板は半分も敷設されていない。
公開された写真は艦艇の後方から撮影されたもので、完工した場合は見て取ることができない格納庫などの重要な情報を見て取れる。
写真に参考物を加えると、22DDHは日本が称するような巡回・災害救助に用いられる「駆逐艦」ではなく、「空母」と呼ばれない空母であることが分かる。
22DDHはどのぐらいの規模の駆逐艦か?
22DDHはMk15「ファランクス」を3基、近接防空システム「RAM」を2基搭載する。甲板と格納庫には14機の艦載ヘリコプターを搭載でき、同時に5機のヘリコプターを発着艦させることが可能。
2万7000トンに達する満載排水量はイタリア海軍の空母「ジュゼッペ・ガリバルディ」、スペインの空母「プリンシペ・デ・アストゥリアス」、イギリスロイヤル海軍の空母「インヴィンシブル」を上回る。
22DDHのメインエンジンは4基2軸のガスタービン(11万2000馬力)で、最高速力は30ノットに達する。その排水量、外観、搭載される武器は、空母とほぼ変わらない。カナダ軍事誌『漢和ディフェンスレビュー』は、同艦を現代の軽空母として位置づけている。
22DDHは今後どのように用いられるのか?
就役後、遠洋対潜作戦編隊の旗艦となるだろう。海上自衛隊の対潜能力は2倍に強化され、カバー可能な海域も数倍に拡大される。
日本の艦船総合情報誌『世界の艦船』は、「22DDHは高性能のソナーとヘリコプター遠距離作戦能力を融合させ、戦時においては魚雷を主要武器とする隣国の潜水艦による日本の水面艦隊への接近を防ぎ、海上自衛隊の周囲300カイリの海域を安全海域とする」と伝えている。
日本が建造中の「駆逐艦」22DDHは攻撃型空母になる可能性がもっとも高いという分析もある。日中両国で主権を巡る紛争が発生した場合、第一列島線の突破が可能な中国海軍の大規模な潜水艦部隊は、日本の強力な対潜能力による脅威に直面するだろう。
22DDHの空母としての特徴は?
その艦載能力からも見て取れる。同艦の飛行甲板と格納庫はヘリコプターのほかに、プロペラ機や無人機を搭載することが可能。
日本はまた、米国からF−35B戦闘機の購入を予定しており、最大の注目を集めている。『漢和ディフェンスレビュー』は、「22DDHは12機以上のF−35Bを搭載する能力を持つ」と指摘した。
しかし新たに公開された写真を見ると、F−35Bの新空母への搭載には無理があるようだ。格納庫の幅は約20メートルのみだが、F−35Bの主翼の全長は約11メートルに達する。つまり格納庫に無理にF−35Bを押し込んだとしても、2機のF−35を格納庫内に並列させることができない。
また22DDHの前部のエレベーターは同艦の中央線上に位置しており、後方からは1機の航空機しか送り込めず、そのほかの航空機は1機目を追い抜き格納庫に入ることができない。仮にF−35Bを搭載するとしても、甲板下の調整が困難になるだろう。