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陰婚(死後婚)の風習
陰婚でおそらく人形(?)が一緒に葬られている



死後結婚という言葉が日本にもある。

冥婚(めいこん)陰婚(いんこん)、鬼婚(きこん)、幽婚(ゆうこん)、死後婚(しごこん)、などとも呼ばれる。

英語(事実上の国際通用語)では ghost marriage、あるいは、spirit marriage と言う。
言葉のとおり、死者に分かれた異性同士が行う結婚のこと。 中国をはじめ東南アジアの一部の地域で見られる結婚と死生観に関わる習俗、現実に存在する。
中国では古代からこの習慣が見られた

実際に冥婚の風習が行われていたことが史書に登場する例としては、三国志の魏伝。
曹操の八男曹沖の葬儀にあたって、同時期に亡くなった甄氏の娘の遺体をもらいうけて曹沖の妻として埋葬したという記述がおそらく最古のものと考えられている。
曹沖は13歳という若さで未婚のまま夭折したため、その霊を慰めるために同じく未婚のまま死んだ少女と結婚させたと考えられている。

世界の他の国にもこの習慣は見られる。
例えば、古代エジプトにおける生ける女神イシスと、弟に殺された太陽神オシリスは死後の世界で結婚している。

ギリシア神話でも、冥界の女王である女神ペルセポネーを妻にしようとした生者ペイリトオスが望みながらも叶わなかった冥婚について語られている。
なぜこのような風習があるのか?

中国では結婚して、子供を産み、子孫を存続させるという強い願いが一人一人にある。
結婚は必ずしなければならないもの、そのような思想が10代で結婚するたくさんの若者たちを生み出している。(中国の結婚の話を始めると話題がつきないので別の機会に考証したいと思う)
しかし中には若くして亡くなる者たちがいる。農村部(都市部でも話を聞くことがある)で独身、結婚せずに亡くなったものを哀れに思い、同じような境遇の独身のまま亡くなった異性と死後に結婚させることにより、幸せになってもらいたいという願いを込めて弔う。

最も過激な形としては、結婚相手は命を奪われ、夫婦として共に埋葬されることもあるようだ。
しかし一般的には同時期に亡くなった未婚女性と結婚させて共に葬る。
または人間の女性に見立てた花嫁人形を遺体と共に柩(ひつぎ)に納めるような場合もある。
陰婚にまつわる中国でのニュース

2013年初頭に報道されたニュース。

中国陝西省延安市でこのほど、墓から女性の死体を盗んで陝西省北部や山西省などに向けて違法に販売していたグループが摘発された。
中国の農村部では、未婚のまま死亡した場合、同じ時期に死亡した未婚の異性を見つけて「あの世で添い遂げさせる」ために一緒に埋蔵する「陰婚(いんこん)」という風習が残っている。女性の遺体はこの陰婚向けに販売されていた。

摘発された4人のグループは、陝西北部、山西省地域の民間に存在する「陰婚」の風習を利用し、墓から女性の死体を盗掘して、自宅に保管していた。掘り出した遺体はきれいに洗浄した後、病院の遺体搬送記録を偽造し、知人の紹介を通じて「陰婚」向けに販売していた。4人はこれまでに10体を販売し、24万元(約350万円)超の報酬を得ていた。
4人は延川県裁判所から2年4カ月〜2年8カ月の懲役を言い渡された。

なんともまあ、風習を利用したあくどい犯罪ですね。
中にはこんな人もいます
どうやら300元(4500円)で陰婚結婚をしてれくれる会社を探しているようです。この子の相手か?(だとしたら怖っっ)


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